「ヤドカリを飼ってみたい。」
息子のそのひと言から、海の磯に多く生息するヤドカリですが、干潟にもいるという情報を聞いて行ってみることにしました。
結論から言うと、ヤドカリはいませんでした。笑
でも、ヤドカリがいなかったことなんてすっかり忘れるくらい、発見の連続だったんです。今回はそのことを書いてみようと思います。
干潟ってどんな場所?

干潟とは、干潮のときに現れる浅い砂地や泥地のこと。川と海が交わる場所で、たくさんの生き物が暮らす豊かな生態系です。
見た目はただの泥…なんですが、近づいてよく見ると、あちこちに生き物の気配があります。
※干潟には絶滅危惧種に指定されている生き物も多く生息しています。見つけても捕まえるのは控えて、観察するにとどめましょう。特に珍しい生き物や貴重な種は、触れるだけでもストレスを与えてしまうことがあるようです。
出会った生き物たち
最初に目に入ったのはトビハゼでした。
胸ビレで泥の上をぴょんぴょんとはって移動する、魚なのに水の外を歩く不思議な生き物です。最初に見た時は「あれ、カエルかな?」と思ったくらい、笑。
子どもが歩くと逃げるようにして泥の上で動くトビハゼを楽しそうに見ていました。
次に見つけたのがシオマネキ。オスの片方のハサミだけが大きく、まるで手招きをしているような動きをします。「潮を招く」という名前の由来がそのまま見えるようで、じっと見ていると何度でも飽きない。赤い手が目立っていて特徴的でした。

あと周りを見渡してみると砂地のあたりに砂の丸い粒がたくさん転がっていました。
それはコメツキガニという約1cmぐらいのカニが作ったもののようです。面白い!

岩場のあたりで発見したのはカニでした。岩と岩の間を観察するといっぱいいました。
カニ好きの長男は大興奮で、捕まえたいと。
そして長い長い戦いの末、捕まえました!調べるとおそらくフタバカクガニ?というカニでした。名前の通り、ハサミが二股に分かれているのが特徴的。

鳥の足跡もあちこちに残っていて、さっきまで生き物がここにいたんだなぁという気配が感じられてよかったです。

たまたまその日、長年自然保護活動をしている団体の方々がイベントで近くにいて、少しお話を聞くことができました。貴重な機会でした😊
泡がポコポコ…これってメタンガス?

干潟の水が溜まっているところで、泥の中からポコポコと泡が出ているのを見つけました。
近づくと、なかなかの匂いが…笑。
「これ、なんだろう?」と思っていたら、先ほど話しかけた自然保護団体の方が教えてくれました。
「今日はメタンガスが出ていて、生き物があまりいないんですよ」と。
メタンガス!?
正直、最初はゴミが原因なのかな?と思っていたのですが、調べてみると少し違いました。
干潟の泥の中では、有機物(落ち葉や生き物の死骸など)が酸素のない状態で微生物に分解されるとき、自然にメタンガスが発生します。水田でメタンが発生するのと同じ仕組みです。つまりこれ自体は自然現象。
でも、だからといってゴミが全く無関係かというと…そうとも言えないと感じました。
台風の後などに川からゴミや有機物が大量に流れ込むと、泥の中で分解される有機物が増えて、メタンの発生量が増える可能性があります。
この場所は台風のたびにゴミがよく流れ着く場所と聞いたことがあって。自然現象だけど、私たちのゴミが影響していないとは言い切れない、と感じました。
メタンガスと生き物の関係
自然保護団体の方の言葉が気になって、帰ってから調べてみました。
メタンガスが多く発生しているということは、泥の中が酸素のない状態(嫌気的な状態)になっているサインで、干潟の生き物…カニやゴカイ、貝類などは酸素が必要なので、そういう状態だと住みにくくなるのだそうです。
生き物が少なければ、それを食べる鳥や魚も来なくなる。
干潟が本来持っている「水をきれいにする力」も落ちてしまう。
その日、確かに生き物が少ないなと感じていたのですが、それはそういうことだったのかと、帰ってから一人でなるほどーとなりました。専門家の方から直接聞いた話と、調べたことがつながりました。
干潟と環境問題
干潟は生き物の宝庫であると同時に、環境問題とも深く結びついている場所です。
メタンはCO2の約28倍の温室効果があると言われています。自然由来のメタンが発生することは仕方ないにしても、人間が出したゴミがそれを増やしているとしたら、やっぱり考えさせられます。
また、日本の干潟は高度経済成長期以降、開発や埋め立てによってどんどん減少しています。かつてあった干潟が失われていくことは、そこに暮らす生き物だけでなく、水質の浄化や生態系全体にとっても大きな損失です。
自分が住む地域にも干潟があって、自然保護のために活動している方たちがいる。そういうことを知れたのも、今回行ってみてよかったことの一つです。
子どもと一緒に行ってよかった
ヤドカリを探しに行ったはずが、気づけば2時間近く干潟を歩き回っていました。笑
「なんで泡が出てるの?」「このカニなんで片方だけハサミが大きいの?」という子どもの質問に答えながら、私自身もたくさん学ぶことができました。
子どもに自然を教えるつもりで出かけて、私のほうが発見だらけ。いつもそうなる気がします😊
完璧な準備がなくても、「とりあえず行ってみる」で十分だなとも思いました。知らないことがあるから調べる。それがまた面白い。
身近な場所に、まだ知らない自然がある。
ヤドカリは次回こそ探したいと思います。笑
あ、でも干潟に行く時は足を最後に洗う水を用意して行った方がいいですよ〜😅
ではまた〜🌿


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